目覚めたら契約花嫁
仕事を定時で終わらせて帰宅したが、今日もマスコミが騒いでいた。

家でロイの帰りを待つことにした。

ミシェルの言う通り、話をするべきと思ったからだ。


「リン様、もうすぐ帰られるそうです。」

「ありがとう。ダヴィは婚約破棄の話を知ってる………よね。」

「ロイ様からお聞きになられるのが宜しいかと。」


ダヴィらしい返答だ。

暫くリビングで過ごしていれば、ロイがビシッとスーツ姿で入ってきた。

ダヴィに聞いたのだろうか?

表情が固く見える。


「ロイ、ダヴィから聞いたのね。」

「………ああ。」


私の隣へと腰掛けたロイを見上げる。

2人分の紅茶を淹れたダヴィが部屋を出て行った。


「ロイ、聞いてもいい?」

「なぜ知りたい?」

「私も破棄されたりするのかな?………って不安だから。」


そう。

私の心に不安が押し寄せていたから。
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