目覚めたら契約花嫁
ある日、リンが俺の前に初めて目にするスイーツとやらを置いた。

見た目はシンプル。

本当にスイーツなのか?


「ロイ、お礼に作ったの。」


お礼?

無理矢理、俺が花嫁にしたようなモノなのに。

契約で無理矢理………。

そう思っていたが、リンは違ったみたいだ。

本当に孤独だったリンを救ってくれたんだと言った。

躊躇なく口に入れる。

すると初めて味だが甘くて美味しい。

サツマイモ?

あれがスイーツになるのか。

衝撃だった。


「美味しい。」


言えば、凄い嬉しそうに笑った。

このスイーツが俺とリンの距離を縮めるとは思いもよらなかったが。

まあ、スイーツ………つまり甘いって事だな。

甘いか………。


「リン、キスしてくれると嬉しいのだが。」


お礼ならキスをして欲しい。

俺を婚約者だと意識して欲しい。

だから俺はリンのお礼という言葉を利用する。

近づいてくるリンに目を閉じた。
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