目覚めたら契約花嫁
「大丈夫。私はロイの側にいるよ。」

「また雷に撃たれでもしたら?きっとリンは元の国に帰れるかもしれないだろう?」


強く抱き締める腕が緩まる気配はない。

そんなロイの背中を優しく撫でた。


「雷かもしれないってだけ。本当に一瞬の出来事だったし、確証なんてない。」

「それでも………何かの拍子に俺の前から消えるかもしれない。」

「そんな偶然はもう起きないよ。」

「分からないだろ。」

「わかるよ。」


強く抱き締めるロイの胸を軽くて押せば、腕の力が緩まる。

視線を上げてロイと目を合わせる。


「ロイ、これは運命の出逢いでしょ?」

「………。」

「私とロイが出逢ったのは運命でしょ?」


目の前にあるロイの唇に軽くキスを落とした。

不安で揺れていた瞳が私を捉えて離れない。
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