クールな君と秘密の恋を。



「ほら、山田さん。撮影始まりますよ。頑張ってくださいね。」



「はい!頑張ります!蒼井さんに応援されたら何でも頑張れます。」



山田さんは撮影のセットされているところまで走って行った。



「おい。」



「うわぁ!びっくりした!!って、り、橘さん。」



いきなり後ろから話しかけてきて思わず理人って言いそうになった。



「演技。ちゃんと見とけよ。てか、山田と何話してたの。」



「いや、世間話ですけど。」



「ふーん。」



自分から聞いといて何ですか、その態度は。



「今日俺も行くから。」



「え?」



「莉子の実家。」


っ!!



み、耳元でコソッと言われてびっくりした。



心臓に悪いからやめて欲しい。



でもちょっと待って。



「ねぇ!それどういう…」



「しーっ」



ほっぺたをむにゅっと挟まれ、タコみたいな顔になっているだろう。


「ひ、ひょっと、やめへっへ。」



「ぶはっ!何だその顔!可愛いな〜!」



理人がすごい笑顔になっている。



「あー。じゃ撮影行ってくるわ。」



何だかご機嫌になったみたいでセットの方に行ってしまった。



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