あなたの義理の妻になります!
ー「高い…」

私は今、目の前に建っているいかにも高級そうなマンションを見上げながら呟いた。

今日は、同棲初日であり、偽装結婚初日。
私は、「頼んだのはこちらだから」という理由で新河家が用意してくれたマンションに来ていた。


「は~、本当に始まるのか偽装結婚…」
私は、手で握っていた鍵を見ながら少し肩を落とした。


中に入ってみると、流石高級マンションでしょと豪語しそうなほどセキュリティーに富んでいた。

「お邪魔しま~す…。陵君は…まだ来てないのかな?」

これからしばらくは、この家に住むのに自分の他人行儀に苦笑しながら先に届けてもらっていた、私が元々使っている机やベッド、本などが入っている段ボールが置いてあるこれから私の部屋となる場所に入った。
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