潔癖症な彼の素顔
通じ合う思い








「…ん」






消毒の、匂いがする…。







あと、手が温かい。











目を開け体を起こしてみると、
どこにいるのかが分かった。




保健室…。




そうだった、私倒れちゃったんだ…。







ん?そう言えば、なんで手が温かいんだろ…。






視線を移すと、



「…!秋君…」





秋君が私の手を握って、寝ていた。








結局は、みんなに迷惑かけちゃった…。




情けない…。











秋君、潔癖症なのに…私なんかの為に…。





私は、そおっと手を離そうとした。






ぎゅう





「!?」





「離したらダメだよ。梓が落ち着くまで」




「っ…。ごめんなさい」



「どうして謝るの?」




「見守っててって、言ったばかりだったのに。助けられちゃったから…」



「見守ってるのは、すごく心配で心配で…。それに、今回の事は俺のせいでもあるから。俺の方が謝らないと」




っ違う…。秋君のせいなんかじゃないのにっ。






「秋君っ」


「俺も色々とケジメを付けようと思う」





「え?」




ケジメ?









「…梓」





「うん?」





「俺、梓の事か好き」





…?…すき、?……好き!?!?





「え、嘘…」




「こんな状況で嘘つくと思う?」




私は横に首をふった。







秋君が私を…好き?







「…だから、俺と付き合ってください」





私も気づいちゃったんだ。自分の気持ちに。


「……っ、よろしく、おねがいします…」






夢じゃない、よね?








ぎゅっ!

秋君は私を抱き寄せた。



「はぁ、よかった」




「え?」




「俺、ずっとアピールしてたのに、全然気づかないから。鈍感なのは知ってたけど…」




「…あ、アピール?」



こそっ



秋君は私の耳元で呟いた。





「好きじゃなったから、あんな事…するわけないし」





ボワっ



みるみる私の顔が赤面。

「っ!」






た、確かに…秋君は甘かった…。






毎日がドキドキしまくりで、心臓がもたなかった。






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