潔癖症な彼の素顔
「雪ちゃ〜ん!」
「はいはい」
私が直ぐに来る事がわかっていたらしく、両手を広げて待っていてくれた。
そして私は雪ちゃんに抱きついた。
私の大親友、
大川 雪 (おおかわ ゆき)ちゃん。
幼なじみなんだ。
あ、ちなみに幼なじみは、もう一人いる。
紹介したい所だけど、今はそれどころじゃない…。
「雪ちゃんっ
先生ひどいよぉ、答えちゃんと言ったのに聞き取ってもらえなかった〜」
私は泣きながら雪ちゃんにさっきの授業の事を話した。
「あずは頑張ったのにね。私にはちゃんと聞こえてたよ。あれは先生の耳悪いだけだよ」
そう言って私の頭をなでる。
「ぅん、私の代わりに葉山君が当てられゃった…」
雪ちゃんの顔が険しくなった。
「あー、あの潔癖症の奴ね。まぁ、問題ないでしょ。学年トップの頭脳もってるんだから」
そう冷たく言う雪ちゃん。
学年トップ。葉山君は確かに、そうだった。
「でも、凄く睨まれた気がする…」
私とは席が離れてるけど、それでも分かるくらいだったから、相当怒ってるんだろうな…。
想像しただけでお腹が痛くなる…。
「あず、気にしない方がいいよ。彼奴はさ、いつもあんな感じだよ。
男子でも仲良くしてるのは数人だし。勿論の事だけど、女子と仲良くしてるのは見た事ないし」
「そ、そうだよね…」
雪ちゃんの言う通り、女の子達仲良くと喋ってるの見た事ない。
「そ、気にしてる方がアホらしいわ
まぁ、でも潔癖が関係してるのね」
「潔癖症かぁ…」
色々と気にちゃうから、大変なんだろうな…。
「なんであんなのがモテてるのかねぇー。
誰も相手にしない所がクールでカッコイイ、みたいな事をみんな言ってるけど、私には理解できないわ」
今、毒舌な雪ちゃん。
「あはは、そうなんだ〜」
こんな反応しか出来ない…。
モテとか私には未知の世界…。