潔癖症な彼の素顔
「はい、貸してあげる」
「え!?」
葉山は自分のペンを私に貸してくれた。
気づかれてたのか…。
「…でも葉山君は、潔癖症なんじゃ…」
貸してもらうなんて申し訳ないよ。
「あ、そうだね。
じゃあ、西谷さんに貸すんじゃなくて、あげる」
あげる!?
「で、でも悪いよ…」
すると、葉山君は自分のペンケースの中を探り始めた。
「あった。俺は同じのもう一本あるから大丈夫」
「っ、あ、ありがとう」
私は葉山君から赤ペンを受け取り、貰うことにした。
「どういたしまして」
「っ…///」
葉山君の笑顔、また見れた…。
そして勢いよく採点した、、。
顔を見られたくなかったから。
落ち着こうと思ったけど、なかなか治まらない。
「どうした?顔赤いよ?」
ドキッと私は緊張が走った。
「い、いやその…葉山君が、しょ、小テスト満点だったから凄いなぁって…」
顔は赤いことは別として、
凄いのは本当だし…。
「ふっ、何その理由。面白い」
分かってる。自分の言い訳下手なのは…。
凄く言葉が詰まる、
「ほ、本当に凄いと思って…」