潔癖症な彼の素顔




「はい、貸してあげる」




「え!?」




葉山は自分のペンを私に貸してくれた。


気づかれてたのか…。





「…でも葉山君は、潔癖症なんじゃ…」



貸してもらうなんて申し訳ないよ。




「あ、そうだね。
じゃあ、西谷さんに貸すんじゃなくて、あげる」



あげる!?



「で、でも悪いよ…」




すると、葉山君は自分のペンケースの中を探り始めた。






「あった。俺は同じのもう一本あるから大丈夫」








「っ、あ、ありがとう」




私は葉山君から赤ペンを受け取り、貰うことにした。




「どういたしまして」









「っ…///」





葉山君の笑顔、また見れた…。


そして勢いよく採点した、、。

顔を見られたくなかったから。



落ち着こうと思ったけど、なかなか治まらない。





「どうした?顔赤いよ?」


ドキッと私は緊張が走った。



「い、いやその…葉山君が、しょ、小テスト満点だったから凄いなぁって…」

顔は赤いことは別として、
凄いのは本当だし…。

「ふっ、何その理由。面白い」





分かってる。自分の言い訳下手なのは…。

凄く言葉が詰まる、





「ほ、本当に凄いと思って…」











< 33 / 154 >

この作品をシェア

pagetop