潔癖症な彼の素顔





あ!そうそう



尚斗は、さっき言ってたもう1人の幼なじみ。

白石 尚斗 (しろいし なおと)

明るい性格で、昔からさっきみたいなイタズラしてくるから、少しやんちゃかな。

中学生に引き続きサッカー部に入ってるみたい。



運動神経いいって羨ましいなぁ。




尚斗の紹介していると、尚斗がニヤニヤしだした。


「…どうしたの?」



何かを疑いながら尚斗に問いかけた。

「さっきの授業はどんまいだったな!」


ぴくりっ
私の肩が少し上がった。


忘れかけてたのに…っ。


「ちょっと!やめてよね、その事であずは落ち込んでたんだから!」


その通り…。

「…」

「そーだったのか!悪い悪い!でも代わりに、秋が解いたんだからいいんじゃね?」



「…秋?」

…あ、葉山くんの下の名前だ。




「そうだ…その事なんどけど、葉山君が代わりに当たっちゃったから、怒ってるのかなぁって……」



謝りたいけど、話しかける勇気ないし…。

入学して数ヶ月…まだ言葉も交わしたことがない。



「それなら大丈夫!むしろ喜んでるから」

「は?」


「え?」


私と雪ちゃんは尚斗の発言に驚いた。


…喜んでる?


本当に、尚斗からの衝撃発言で思考がついていかない。

どういう事…?



「あ、いや!深い意味は無いから!!」


尚斗は少し誤魔化した言い方をした気がする。
深い意味はないって…

今の感じだと、深い意味があるって聞こえてくる…。



「怪しいわ!!確か尚斗、あの潔癖野郎と仲いいよね?」


「あっえっと…」

尚斗が困ってるから少し面白く感じだ。


でも、確かに葉山君と尚斗はよく話してる気がする。



パチンっ!

尚斗は自分の顔の前で両手合わせた。


「ごめん!これ以上は勘弁だわー!秋にぶん殴られる!
じゃあ!俺はミーティングいってくるわ!」


尚斗は私達にピースサインをして教室を出た。

「あ!ちょっと待ちなさいよ、、って逃げたな、尚斗やつ」


お昼休みもサッカー部のミーティングか、大変だな。


それよりも、雪ちゃんがプンプンしている。


「まぁまぁ、落ち着いて雪ちゃん」



ギューっ

雪ちゃんに抱きついた。




「はぁー、やっぱりあずは癒し。イライラしてても落ち着く。ありがとう」


癒しって大袈裟な…。


「もぉ、何言ってるのー」


私だって雪ちゃんといると、落ち着くよ?

私こそ、ありがとうを言うべきなのにな。








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