潔癖症な彼の素顔
放課後、少し図書室によってから帰るからと、雪ちゃんに嘘を言い、先に帰ってもらった。
嘘をつくって心の準備をしていても、心が痛い……。
ごめんね…。
ゴソゴソ
机の中、ロッカーを見た。
でも、体育の前にポーチに入れたはず、、、。
絶対に…。
でも、
いくら探してもネックレスは見つからない…。
どうして、、、秋君から貰ったばかりなのにっ。
トントン
「…っ!!」
いきなり誰かに肩をたたかれた。
「そんなに驚かないでよ。私」
「蓮沼さん…」
「今の様子も相当おかしいけど、体育の後から様子がおかしいから気になって来てみたら…何かあったの?」
「…実は、秋君から貰ったネックレスを無くしちゃって、、、」
「…葉山君があげたものまで」
「…うん」
あの時、私はポーチに入れたのを覚えてる。
「でも、やっぱり動き出したわね」
「え?」
「今日の体育の時、中山さんの足に引っかかって転んだでしょ?
あの時、私にはわざと足を出したように見えたわ」
わざと?中山さん、申し訳なさそうにしてた気がするけど…。
「うーん…」
分からない……。
「絶対に、今までの犯人は中山さんよ。私言ったよね?もうコソコソはしてこないって。
今日の事が証拠だよ。きっと、そのネックレスだって中山さんが盗んだに違いないわ」
体育の時は人との接触が多いから、疑いはしてなかったけど、蓮沼さんの予想があっているんじゃないかって思っちゃう…。
人なんて疑いたくない、、、でも、ネックレスは返して欲しい。
「蓮沼さんありがとう」
「お礼なんていらないわ。1人は置いといて、2人は何か気づいてそうだしね」
「え、それって…」
「じゃあまた明日」
蓮沼さんにはまだ聞きたいこたがあったけど、私の声なんか聞かず帰って言っちゃった…。
前から思ってたけど、
蓮沼さんって凄い人だなぁ…。
見習わないとな…。
て言うか、1人は置いといてって…
絶対に尚斗な気がする。