クールな弁護士の一途な熱情
閉じた瞼越しに明るさを感じ、そっと目を開く。
見ると目の前の大きな窓からは、カーテン越しに太陽の光が透けて室内を明るく照らしていた。
「朝……」
昨日、あのままいつの間にか寝てしまっていたんだ。
ゆっくりと体を起こすと、そこはソファではなく大きなベッドの上。
あれ、なんで私こんなところに……。
不思議に思いながらも寝室を出て、リビングのドアから部屋をのぞく。
するとそこには、キッチンに立ちコーヒーを淹れている静の姿があった。
「静、おはよう」
「おはよ。入江もコーヒー飲む?」
「うん」
昨夜のお酒も残っていないようで、静はいたっていつも通り。
「ねぇ、私いつの間にベッドに?」
たずねると、彼は「えっ」と上ずった声を出す。
「あー……夜中起きたらソファで寝てたから、運んだんだ」
そう言いながら視線を避けるかのように、彼はこちらへ背中を向ける。
コーヒーの香りが漂う中、その後ろ姿から感じるのはよそよそしさ。