クールな弁護士の一途な熱情
「ごめんね、心配かけて」
『いいのいいの。でもさすが、これも伊勢崎の愛の力か〜』
「は!?」
って、なんで静!?
夜だということも忘れ思わず大きな声が出る。
「ない!愛の力なんてないから!」
『でもいろいろ相談も乗ってくれたんでしょ?伊勢崎なしではこうはならなかったと思うんだけどなぁ』
うっ……。確かに、そうだけど。
でもだからって、愛の力って。
恥ずかしすぎるその響きに、それ以上なにも言えず、私は話題をすりかえる。
「そんなことより、『話がある』って言ってたよね?なんの話?」
『あ、そうそう。明日の夜、急遽元バスケ部で集まろうって話になってさ。果穂もおいでよ』
「元バスケ部で?」
映美からの話、というのは高校時代の元バスケ部の集まりの誘い。
そういえば、私たちの同級生と仲のいい後輩も交えて、男女混合でよく飲み会をしてるって言っていたっけ。
私は仕事優先で一度も参加できていないんだよね。
『果穂がこっちにいるって言ったら、みんなたまには果穂に会いたいって言ってたよ』
「じゃあ、行こうかな」
『よし、決まり。ちなみに伊勢崎もくるっていうから!取られないよう気をつけなよ』
いや、取られるもなにも……私のじゃないんだけど。
苦笑いをしながら、明日の待ち合わせ時刻を確認して電話を終えた。
映美ってば、やたらと私と静の仲をくっつけようとして。そんなんじゃ、ないのに。
でもバスケ部のみんなと会うの、久しぶりだなぁ。
どんなふうに変わってるかな。楽しみ。