クールな弁護士の一途な熱情
「じゃあ、アイスカフェラテとミルフィーユで」
「はい、了解」
注文をすると、ほどなくしてアイスカフェラテとミルフィーユが運ばれてきた。
真っ白なお皿に乗ったミルフィーユは、ハート形で、生地と生地の間にいちごと生クリームが挟まれている。
なんともかわいらしいその見た目に、思わずスマートフォンで写真を撮ってから食べ始めた。
フォークでひと口食べると、サクッとした食感といちごのみずみずしさ、甘すぎないクリームが口の中で溶け合う。
「ん、おいしい〜!」
「だろ?雑誌にも載るくらい人気なんだよ、うちのミルフィーユ」
あまりのおいしさに顔が緩む。そんな私に森くんは嬉しそうに、メガネの奥の目を細めた。
これは人気店になるのも納得だ。うん、おいしい。
続いて口にしたアイスカフェラテも、濃い目のコーヒーとミルクがコク深い。
味わう私に、森くんはふと思い出したように言う。
「そういえば、果穂って伊勢崎と付き合ってるのか?」
「え!?」
な、なにをいきなり!?
まさかの突然の問いかけに、アイスカフェラテが変なところに入りむせてしまう。
「いや、この前の飲み会のときふたりで帰ってたじゃん?そういえばふたり昔付き合ってたし、もしかしたらって」
それは先日の飲み会の帰り際、静が私の腕を引いて帰った時のことを言っているのだろう。
やっぱり噂になってしまっていた。そう思いながら慌てて否定する。