クールな弁護士の一途な熱情
「再会を無駄にしたくない。もう、離したくないんだ」
そして再び、ゆっくりとキスをする。
もう12年も前のことを、忘れたことがなかった、なんて。
そんなのありえない。きっといつもの冗談だ。
そう思いながらも、嬉しくて、そのキスを素直に受け入れた。
静の優しさ、体温、指先、言葉。
ひとつひとつ、全てが愛しい。
ねぇ神様。
あの日恋を失い傷ついたことも、逃げたことも、噴水に落ちたことも。
このための運命なのだとしたら、全て受け入れるから。
今はこのまま、ふたりきりでいさせて。
あの夏の恋の続きを、ここから始めさせてほしい。
花火が終わったその後も。
今度は、終わることなく。