クールな弁護士の一途な熱情
「俺なら、果穂にそんな思いさせないし悲しませない。だから、利用されてもいいから俺にもチャンスがほしい」
再会を運命だと思う、その気持ちは以前の自分にも重なる気がした。
その純粋な気持ちを逃げ道にするなんて、きっと間違ってる。
逃げたところで限界はある。
そうわかっていても、今の私には逃げずに向き合う勇気などない。
傷つくことも敵意を向けられることもいや。
だから、この恋はもうおしまいにする。
今だけ、彼の力を借りて。
心の中でつぶやいて、私は小さく頷いた。
静への気持ちは、ひと夏の思い出。
胸にしまって、日常へ戻っていくんだ。