クールな弁護士の一途な熱情
13.未来




今年は比較的暖かかった秋を越え、季節は冬を迎えた。

街を行く人々はコートやブーツに身を包み、寒さに身をすくめながら足早に歩いている。



「入江さーん!」



12月後半、クリスマスまであと4日と迫った金曜日。

オフィスで資料をまとめている私の元へ、同じブランドで働く後輩社員が大きな声とともに駆け寄った。



「この前入江さんが企画した商品、売上出ましたよ!もう絶好調!追加発注もどんどんきてます!」

「本当!?よかったー!」



彼女が見せた手元の書類には、先日発売した新作……私がこのブランドに来て初めて企画したコーナーの売上結果が載っていた。

その数字は、予想を上回るものだ。



このブランドに異動して3ヶ月。

ようやくここにも慣れてきて、成果も出てくるようになった。



最初は学ぶことが多くていっぱいいっぱいにもなったけれど、こうして成果が出ると、やっぱりこの仕事が好きだと思う。復職を選んでよかった。

たまたま近くを通りかかり話を聞いていた部長も、売上を見て感心した様子で頷く。


< 184 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop