クールな弁護士の一途な熱情
3.今更
彼はいつもみんなの中心にいて、目立つ人だった。
成績優秀で毎回テストの成績は上位。
スポーツもできて、部活ではエースとして他校の人からも一目置かれるような存在だった。
おまけに見た目も学年イチと言われるくらいのイケメン。
となれば自然と彼の周りには人が寄ってきていて、男女ともに人気があった。
方や私は成績は悪い方だったし、バスケ部でもギリギリレギュラーに入れたくらい。
見た目は平凡で、クラスの中での立ち位置も端の方。
だからこそ、そんな彼が私を見てくれるなんて思いもしなかった。
『……俺、入江のこと好きだよ』
高校3年生の7月頭、ある日の放課後。
ふたりきりの体育館裏で静が囁いた言葉に、小さく頷いた。
その瞬間から、私たちはクラスメイトから恋人同士になった。