クールな弁護士の一途な熱情
「えぇ!?伊勢崎と再会した!?」
日曜の午後。一週間前にも来たカフェの窓際の席で、向かいにある座る映美の大きな声が響く。
突然のその大声に、周囲の席の人の視線がこちらへ向けられるのを感じた。
「ちょっと、映美声大きい」
「あ、ごめんごめん」
映美は自分を落ち着けるように、グラスの中のアイスティーを飲んで深呼吸をする。
「でもビックリ。伊勢崎のこと話すら聞きたくなかった果穂が、再会どころか伊勢崎のところで働いてるなんて!」
静と再会して、一週間が経った日曜日。
映美と再びカフェでランチをしながら、これまでの話をした。
それを聞いた映美は当然驚き、先ほどの大声をあげたわけだ。
「でも伊勢崎が弁護士になったっていうのは聞いてたけど、独立してるとは……さすが、学年一の秀才で有名大学に行っただけはある」
感心するように言う映美の言葉に、思えば大学受験の時に静は都内でも高学歴で知られる有名大学へ行ったんだっけと思い出した。
アイスコーヒーを飲みながらそんなことを考えていると、映美はニヤリと笑う。
「で?伊勢崎と復縁の可能性は?」
唐突なその問いに、口に含んだアイスコーヒーをゴクンと飲み込みむせてしまった。
「ゲホッ、ゴホッ、な、ないよそんなの!」
咳き込みながら、口もとをおしぼりで拭い必死に否定する。
けれど映美はキョトンと不思議そうに首をかしげた。