クールな弁護士の一途な熱情




映美とお茶をして日曜を過ごした翌日、月曜日の14時を過ぎた頃。

花村さんと壇さんと、三人が揃った事務室で、私は今日も黙々と事務仕事を片付けていた。



ここで働いて1週間。

入力作業を始め、掃除などの雑務など事務員としての業務にも慣れてきて、自分が意外とこうした仕事が苦手じゃなかったことに気がついた。



企画部での仕事しかしてこなかったから、またこうして違う職種で働くのも楽しいかも。

そう思いながら、パソコンのキーボードをパチパチと打つ。



「あー……やっと報告書まとまったぁ」



するとそれまでずっと黙ってパソコンに向かっていた壇さんが、疲れた声を出した。



「お疲れ様。都子にしては時間かかってたわね」

「うん、この案件話落ち着くまでだいぶ時間かかったからねー……かなり修羅場に巻き込まれたけど、やっと片付いてひと安心」



担当した案件である、長引いていた離婚問題がようやく片付いたらしい。

壇さんは今朝からその報告書を作成していたのだけれど、それがようやくまとまったみたいだ。



「うーん」と長い腕を思い切りあげ伸びをする彼女に、花村さんはにこりと笑う。



「じゃあ、そんな都子のためにお茶でも淹れましょうか」

「おっ、やったー。花が淹れる紅茶美味しいんだよね」

「果穂ちゃんも、ちょっと休憩しましょ。今お茶淹れてくるから」



花村さんはそう言うと、席を立ち事務室を出て行く。



「いいんですかね。お茶汲みは私の仕事じゃ……」

「それは依頼人が来た時の話。花の紅茶超美味しいから、私と果穂は手出しせず楽しみに待ってればいいの」



壇さんは笑いながら、相変わらずのさっぱりとした口調で言った。


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