暁くんがメガネを外したら・・  【完結】
あ、メガネ・・
ポケットかな


「おい」


『ん?』


パクッと、暁くんが
私の持っていたホットドックを
ひとくち食べた。

周りにいたみんなが
「うわー」とか
「きゃぁ」とか。
「ヒュー」とか、ざわつきはじめる。


『ちょっ』


暁くんが、視線を横に向け、
もう一度パクっと食べた。


暁くんが見ている方に目をやると
矢部君がこっちを見ていた。


わざと?!
矢部君に見えるように
わざとやった?!

もうっ
暁くんのばかっ

矢部君はサッカー部のマネージャー
と付き合ってるのに。
何も心配することなんてないのにっ。

これじゃ学校中で
噂になっちゃうじゃないっ!!


「行くぞ」

暁くんは私の手を握り、
周りの目を気にもせず
大股で歩き始めた。


暁くんのばかっ

恥ずかしいよぉ

恥ずかしすぎるよぉ




早くメガネ!


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