暁くんがメガネを外したら・・  【完結】
シャッ シャッっと、止まらない

鉛筆の音を聞きながら

私はじっと、暁くんの指を見ていた。





私は、第一志望に落ちて、
この学校に入学した。

入りたい高校は、
大学の付属高校だったけど、
ダメだった。


夏休みも
冬休みも
全部勉強の時間にあてて
必死に
死ぬ気でがんばったけど

でも
ダメだった。



ショックで
気が抜けて
やる気もどこか飛んでっちゃって。


最初から、
”負け”の荷物を背負って
この、県内で中ランクの公立高校に
入学した。


何ひとつ、
未来が見えない毎日。
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