暁くんがメガネを外したら・・  【完結】
「開いた穴をそのままにしたらダメです。
 どんどん穴が広がって
 いろんなものがこぼれ落ちてしまう」


胸に当てた手に
ぎゅっと力がこもる。



「森野さん」


『はい』


「僕がその穴を埋めます。
 傷跡がのこらないように
 ちゃんと閉じます」


『・・・・・・・』



少し離れたところを

まっすぐ前を向いたまま

歩いていたハズの暁君は



今、私のすぐ隣に立ち

瞬きもせず

私を見ていた。




―――捕まってしまった―――


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