6月、恋の終わり。
「もう少しこっち」

「っ、うん…」

ほんとに、近い…。



カシャ。



「よし、いい感じに撮れた」

「ほんと?見せて!」

翔のスマホを覗き込むと、ぎこちない笑みを浮かべた私と、いつもの無邪気な笑顔の翔が写っていた。


「…変な顔」

「はぁ?なんだよ、どっちの顔見て言ってんだよ」

もう、緊張して全然上手く笑えなかったし…。
でも、ツーショット…嬉しいな。


「翔、その写真送ってね」

「…今送る」

「ありがと」

翔とのツーショット写真を眺め、心があたたかくなった。

紫陽花まつり、最初は二人きりじゃないことに少しガッカリしてたけど…ほんとに来て良かったな。
< 15 / 31 >

この作品をシェア

pagetop