6月、恋の終わり。
少しすると、二人が戻って来た。


「ほら、紫織の」

「ありがと…」

笑顔でジュースを差し出す翔の目を、真っ直ぐ見れない。

やっとの思いで、受け取った。


その後のことは…あまり記憶になくて。
ジュースの味も、全然しなかった。


…翔とあかりちゃんが仲良さそうに話す姿が、胸に突き刺さる。

ダメだ…もう、これ以上は…。


「ごめん…私ちょっと急用思い出しちゃって…先に帰るね」

「なんだよ急用って」

歩き出そうとする私の手を翔が掴む。


…っ。


お願いだから、そんな真っ直ぐな目で見ないでよ…。


「ごめん…急がないと。じゃあね」

少し強引に翔の手を振り払い、私はそのまま走り出した。

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