トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「ま、マジでアイツなんなの……!!」

顔を真っ赤に染めて怒りに目を血走らせる彩乃。

「あんな自己中な人間いる……?ありえないんだけど……!」

エレナも彩乃の言葉に同調する。

あたしは黙って薫子の小さくなっていく背中を目で追った。

エレナも彩乃も薫子の異常さに気が付いたに違いない。

理不尽なことを言ったり要求したり。

自分に非があることを認めたりせずに自分の意見を押し通そうとする。

やっぱり誘うべきではなかったんだ。

「エレナ……彩乃……。もう薫子と関わるのはやめようよ。あたし、薫子が怖い……」

息をするように嘘をつくのも、平気な顔で約束を破るのも、それを正当化しようとするのも。

薫子のすべてが怖い。

もう関わり合いたくない。

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