トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「マジで!じゃあ、その日3人で遊ぼうよ!」

エレナが嬉しそうに声を上げた。

彩乃の休みがあってよかった。3人で遊ぶのは久しぶりだ。

「どこ行こうか~!今から楽しみだなぁ~!」

笑顔を浮かべてそう漏らした時、ふと入り口から教室に入ってきた葛生さんと目が合った。

購買でパンを買ってきたのか白い袋を右手に持っている。

「――梨沙!」

葛生さんはにこりと嬉しそうに笑うと、ためらうことなくあたしの名前を呼んだ。

その声に弾かれるように彩乃とエレナも顔を持ち上げる。

「えっ……」

驚きで声がでないあたしの前まで歩み寄ると、葛生さんは少しだけ頬を膨らませた。

「え。もしかして、先に食べちゃったの?」

あたしのお弁当を覗き込んで明らかに不満げな葛生さん。

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