トモダチ地獄～狂気の仲良しごっこ～
目の前に火花が飛んだ。

あまりの痛みに薫子から手を離して顔面を抑えて悶絶していると、今度は髪の毛に鋭い痛みが走った。

「痛いっ!!」

薫子はあたしの髪の毛を鷲掴みにすると、あたしの顔面を自動販売機に力づくで押しつける。

「やめてよ！！」

両手で自販機を押し返して首を振り必死に薫子に抵抗する。

それでも薫子は離さない。

それどころか、薫子はあたしの髪を掴んだまま、何度も自販機に顔面を叩きつけた。

「抵抗するだけ損よ？」

勢いよく叩きつけられたせいで鼻がぐにゃりと曲がり、血が出た。

「やめてよ……なんでこんなことすんのよ！？」

あまりの痛みに戦意をそがれて半泣きになりながらそう問いただすと、
薫子がふふっと笑った。

「昨日、何発エレナに叩かれたかしら？本当に痛かったわ。私ね、あのとき絶対に許さないって決めたの」

「ごめんって！だからもうやめてよ！！」

「やめて？やめるかどうかを決めるのは私。あなたにその選択肢はないの」

「……っ！」

自販機の光に吸い寄せられるように小虫がたかる。

顔の周りにも容赦なくやってくる小虫に全身に鳥肌が立つ。
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