トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
ホテルの部屋番号を聞いてから部屋に向かいチャイムを鳴らすとたけちゃんが笑顔で出迎えてくれた。
「たけちゃん、聞いてよ!薫子があたしの髪を掴んで自販機に顔を押しつけてきたの!暴力振るうなんて最悪でしょ!?」
部屋に入るなり、あたしは薫子の愚痴をたけちゃんにぶつけた。
ソファにドカッと座り、テーブルの上のグラスにペットボトルを開けて中身を注ぎ喉を潤す。
いつもだったら相槌を打ち、時折アドバイスを交えながらあたしの話を聞いてくれるのにたけちゃんはどこか上の空。
というよりかは全く興味がなさそうにすら見える。
「たけちゃん、聞いてるの?」
ちょっとだけイラッとしてそう尋ねると、ベッドに座っていたたけちゃんがあたしに視線を向けた。
「え……?たけちゃん?」
何故か目が座っている。たけちゃんはおもむろに立ち上がると、ベッドサイドのビジネスバッグから何かを取り出した。
「これ、何だと思う?」
「え……、写真?」
「そう。僕の家の写真、それから普段の僕が映ってる」
複数の写真には大豪邸に入っていくたけちゃんが映っていた。
それだけではない。あたしの視線はある一枚の写真に釘付けになった。
なにこれ。心の中で呟く。
その写真には今目の前にいる人とは到底同一人物には思えない男が映し出されていた。
寝癖のついたボサボサの髪の毛。生気のないうつろな目で写真に収まっている中年男。
手にはコンビニ袋を下げ、よれよれになっている小汚いTシャツを身にまとい、足元は使い古されたサンダルを履いていた。
そんな写真が何枚もある。
なにこれ。これってたけちゃん……?
まさか、そんな。
嘘だ。こんなの嘘だ。こんなのたけちゃんじゃない。
でも、面影がある。よく見れば見るほど、たけちゃんにしか見えない。
「うちの家のポストに投函されてた。それだけじゃなく、近所にも同じものが」
「え……?」
「エレナが言っていたその薫子っていうフレネミー女に一杯食わされたよ」
たけちゃんが吐き捨てるように言う。
「たけちゃん、聞いてよ!薫子があたしの髪を掴んで自販機に顔を押しつけてきたの!暴力振るうなんて最悪でしょ!?」
部屋に入るなり、あたしは薫子の愚痴をたけちゃんにぶつけた。
ソファにドカッと座り、テーブルの上のグラスにペットボトルを開けて中身を注ぎ喉を潤す。
いつもだったら相槌を打ち、時折アドバイスを交えながらあたしの話を聞いてくれるのにたけちゃんはどこか上の空。
というよりかは全く興味がなさそうにすら見える。
「たけちゃん、聞いてるの?」
ちょっとだけイラッとしてそう尋ねると、ベッドに座っていたたけちゃんがあたしに視線を向けた。
「え……?たけちゃん?」
何故か目が座っている。たけちゃんはおもむろに立ち上がると、ベッドサイドのビジネスバッグから何かを取り出した。
「これ、何だと思う?」
「え……、写真?」
「そう。僕の家の写真、それから普段の僕が映ってる」
複数の写真には大豪邸に入っていくたけちゃんが映っていた。
それだけではない。あたしの視線はある一枚の写真に釘付けになった。
なにこれ。心の中で呟く。
その写真には今目の前にいる人とは到底同一人物には思えない男が映し出されていた。
寝癖のついたボサボサの髪の毛。生気のないうつろな目で写真に収まっている中年男。
手にはコンビニ袋を下げ、よれよれになっている小汚いTシャツを身にまとい、足元は使い古されたサンダルを履いていた。
そんな写真が何枚もある。
なにこれ。これってたけちゃん……?
まさか、そんな。
嘘だ。こんなの嘘だ。こんなのたけちゃんじゃない。
でも、面影がある。よく見れば見るほど、たけちゃんにしか見えない。
「うちの家のポストに投函されてた。それだけじゃなく、近所にも同じものが」
「え……?」
「エレナが言っていたその薫子っていうフレネミー女に一杯食わされたよ」
たけちゃんが吐き捨てるように言う。