トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
パパ活をしていたことが親にもバレ、学校にもバレ、梨沙や彩乃にまですべてがバレてしまう。

そうなったら終わりだ。

お母さんを悲しませることになる。

ダメだ、助けは呼べない。

今、あたしがすべきことは誰にもバレずにここを出ること。

そしてまた明日から何事もなかったかのように平凡な日常を過ごすんだ。

ギュッとスマホを握り締める。

パパ活という秘密を薫子に握られたせいでこんなことになるなんて。

あたしの弱みを薫子がこんなにもうまくついてくるとは思わなかった。

そのとき、ふと薫子の言葉が脳裏を過った。


『パパ活なんかして楽にお金を得ようとすれば必ず代償を払うことになるわ』

『私の心配なんてしてないで自分の心配をした方がいいと思うけど』

もしかしたらたけちゃんの言う通りあたしは知らぬ間にあの子の手のひらでうまく転がされているのかも。

でも、そうはいかない。あの子の望み通りにはさせない。

バッグを掴んで立ち上がろうとする。

でも、足に力が入らない。
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