トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「エレナ、もうすぐ準備ができるよ」

バスルームの方からたけちゃんの声がする。

マズい。早くここから逃げないと……――。

ずっしりと重たくなる体。意識が遠のきかけた時、スマホが震えた。

誰かからメッセージが届いたようだ。

相手は彩乃だった。

――彩乃!!すがりつくようにメッセージを見つめる。

【彩乃:あたし前から知ってたんだよね。エレナがパパ活やってたこと】

唐突に届いた彩乃からメッセージに心臓がドクンっと震えた。

え……。何……?

【彩乃:梨沙は知らないと思う。でも、薫子も知っちゃったみたいだね。アンタ、隠すの下手すぎだから】

【彩乃:正直に言うけどあたし、パパ活とかやってる子無理。気持ち悪いし】

【彩乃:エレナがあたしのことどう思おうが構わないけど、こっちだって願い下げ。アンタとなんてもう友達でも何でもないから】

一方的に送り付けてきた彩乃のメッセージは怒りに満ちていた。

「なにこれ……何なのよ……!」

スマホを持つ手にもいよいよ力が入らなくなってきた。
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