トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
なんと言い訳するのがいいか必死に脳をフル回転させて考える。
最初はほんの出来心だったし、あの時のあたしはおかしくなっていた。
両親からのプレッシャーに押しつぶされそうになっているとき、顧問に呼び出されてこう告げられた。
次回の大会はあたしではなく、あたしより背の高い後輩を使うと。
必死になってあたしを出してくれるようにと顧問に懇願したものの、その願いは聞き入れられなかった。
試合には両親は必ず揃って観戦にくる。
そこでレギュラーを外されたと知れたら大変なことになる。
焦りばかりが募る日々。
そんなある日、移動教室へ向かう途中忘れ物をして教室に戻った。
そのときふとクラスメイトの机の上の財布に目がいった。
お金が欲しかったわけではない。本当にちょっとした出来心だった。
あたしはお財布を開けると、小銭だけを一枚抜いた。
背徳感が全身に沸き上がる中、それと同時にあたしは達成感を感じていた。
気持ちがスッと軽くなった。
全てのプレッシャーから解放されていくようなそんな感覚。
その日からあたしはクラスのみんなのお財布から小銭だけを抜くようになった。
お札ではなく小銭を一枚だけ抜く、そんなあたしの行為に気付く人はひとりもいなかった。
もうやめよう。こんなこといけない。
誰かに気付かれでもしたらそれこそいっかんの終わりだ。
分かっていたのにやめられなくなっていた。
それを薫子に知られるなんて……。
最初はほんの出来心だったし、あの時のあたしはおかしくなっていた。
両親からのプレッシャーに押しつぶされそうになっているとき、顧問に呼び出されてこう告げられた。
次回の大会はあたしではなく、あたしより背の高い後輩を使うと。
必死になってあたしを出してくれるようにと顧問に懇願したものの、その願いは聞き入れられなかった。
試合には両親は必ず揃って観戦にくる。
そこでレギュラーを外されたと知れたら大変なことになる。
焦りばかりが募る日々。
そんなある日、移動教室へ向かう途中忘れ物をして教室に戻った。
そのときふとクラスメイトの机の上の財布に目がいった。
お金が欲しかったわけではない。本当にちょっとした出来心だった。
あたしはお財布を開けると、小銭だけを一枚抜いた。
背徳感が全身に沸き上がる中、それと同時にあたしは達成感を感じていた。
気持ちがスッと軽くなった。
全てのプレッシャーから解放されていくようなそんな感覚。
その日からあたしはクラスのみんなのお財布から小銭だけを抜くようになった。
お札ではなく小銭を一枚だけ抜く、そんなあたしの行為に気付く人はひとりもいなかった。
もうやめよう。こんなこといけない。
誰かに気付かれでもしたらそれこそいっかんの終わりだ。
分かっていたのにやめられなくなっていた。
それを薫子に知られるなんて……。