トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
梨沙からのメッセージが続く。

【梨沙:これ、本当なの?嘘だよね?彩乃が後輩をイジメていたなんて考えられないよ】

【梨沙:彩乃、お願い。連絡して?】

【梨沙:彩乃、お願いだから。あたし、彩乃を信じたいの】

胸が痛む。

真緒と再会したことであたしはかつての自分と向き合うことができた。

もう嘘をつくのも隠し事をするのもやめよう。

ずっと苦しかった。梨沙にもエレナにも話せない過去があることが。

エレナだって言えずに苦しんでいたんだろう。

人はきっと誰しも多かれ少なかれ秘密を持っている。

それをオープンにするのは怖いことだ。

でも、きっと今がそれをオープンにするときなんだろう。

【ごめん。それ本当なの。あたし、バレー部の後輩をイジメて不登校にさせた】

【親からの圧力とかレギュラーになっていい結果残さなくちゃいけないプレッシャーもあったの。全部言い訳だけど、ちゃんと梨沙に聞いてほしい】

今はきっと授業中だろう。

本当は電話で話すか直接目を見て話をしたかった。

仕方なくメッセージを返すと、すぐにメッセージは既読になった。

梨沙もあたしからの返信が気になって仕方がなかったのかもしれない。

そんな気持ちを抱えていると、「彩乃」と誰かがあたしの名前を呼んだ。

「え……?」

振り返ると、鬼のような形相を浮かべて仁王立ちした母がいた。

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