トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「あなたがイジメをしていたかどうかなんてどうだっていいの。ただ、お父さんとお母さんの顔に泥を塗るのは許さないわ!」

母は目を吊るし上げる。鬼のよう……ではなくまるで鬼だ。

あたしの気持ちなんて一切無視して一方的に自分の意見を押しつけてくる。

「お母さん、考えたの。これからどうしたらいいのかって。まずはお父さんに恥をかかせないようにしないとね」

母はグイグイとあたしの手首を引っ張り、階段に近付ける。

「ここから謝って落ちてしまったということにしましょう。そうすれば大義名分も立つもの。今回は怪我をしてしまって試合には出られないけど、次の試合には出るって言えるものね」

母の目は血走り、とてもまともな精神状態ではない気がした。

「や、やめてよ……」

「やめないわ。それがあなたの為でもあるのよ」

母の言葉が脳内にこだまする。
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