トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
杉原梨沙side
【杉原梨沙サイド】
「も、もしもし……?あの、杉原です。はい。そうなんです……。また梨沙が……はい。様子がおかしいんです。もしかしたらきちんと薬を飲んでいないのかもしれません」
家の玄関を開けてたたきで靴を脱いでいると、リビングの方から母の声がした。
「最近は落ち着いていたんです。でも、また……。はい。分かりました。様子を見てみます」
電話を切った頃合いを見計らってあたしはキッチンへと足を踏み入れた。
「ただいま。電話、誰から?」
「っ……!!り、梨沙……!い、いつ帰ったの?」
振り返った母の顔は恐怖に歪んでいた。
「今。それで、誰と電話していたの?」
「と、友達よ」
「友達って誰?名前は?」
「そんなのいいじゃない。お腹空いているんじゃない?何か食べる?」
慌てて取り繕い逃げるようにキッチンへと向かった母の前に回り込む。
「どうして言ってくれないの?言えない理由でもあるの?」
「そ、そんなんじゃないけど……」
母の手が小刻みに震えている。
「今日ね、二人と親友辞めたの。中学の時みたいにまた一人ぼっちになっちゃった。だから、もう薬は飲まないし必要もないの。もう自分の意見を抑えて遠慮して顔色伺って生活するのはやめる。仮面をつける生活に疲れちゃった」
「り、梨沙……。あなた、いつから薬を飲んでいないの……?」
「別にどうでもいいでしょ?お母さんだってあたしに誰と電話してたのか教えてくれないんだから。そうでしょ?」
「それは……」
「まぁ、分かってるけど。あたしの主治医の心療内科の先生でしょ?あの先生の言うこと聞いてもいいことなんて一つもなかったしもう行かないから」
「ま、待って!梨沙……!!」
あたしはそう言うと、呼び止める母の声を無視して階段を駆け上がった。
「も、もしもし……?あの、杉原です。はい。そうなんです……。また梨沙が……はい。様子がおかしいんです。もしかしたらきちんと薬を飲んでいないのかもしれません」
家の玄関を開けてたたきで靴を脱いでいると、リビングの方から母の声がした。
「最近は落ち着いていたんです。でも、また……。はい。分かりました。様子を見てみます」
電話を切った頃合いを見計らってあたしはキッチンへと足を踏み入れた。
「ただいま。電話、誰から?」
「っ……!!り、梨沙……!い、いつ帰ったの?」
振り返った母の顔は恐怖に歪んでいた。
「今。それで、誰と電話していたの?」
「と、友達よ」
「友達って誰?名前は?」
「そんなのいいじゃない。お腹空いているんじゃない?何か食べる?」
慌てて取り繕い逃げるようにキッチンへと向かった母の前に回り込む。
「どうして言ってくれないの?言えない理由でもあるの?」
「そ、そんなんじゃないけど……」
母の手が小刻みに震えている。
「今日ね、二人と親友辞めたの。中学の時みたいにまた一人ぼっちになっちゃった。だから、もう薬は飲まないし必要もないの。もう自分の意見を抑えて遠慮して顔色伺って生活するのはやめる。仮面をつける生活に疲れちゃった」
「り、梨沙……。あなた、いつから薬を飲んでいないの……?」
「別にどうでもいいでしょ?お母さんだってあたしに誰と電話してたのか教えてくれないんだから。そうでしょ?」
「それは……」
「まぁ、分かってるけど。あたしの主治医の心療内科の先生でしょ?あの先生の言うこと聞いてもいいことなんて一つもなかったしもう行かないから」
「ま、待って!梨沙……!!」
あたしはそう言うと、呼び止める母の声を無視して階段を駆け上がった。