トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
黒板に貼り出されている席順を確認する。

「えっと……あっ、ここか」

窓際の一番後ろの席。

教壇から一番離れていて先生の目にも付きにくい場所。

ラッキー!幸先がいい。

あたしは弾んだ気持ちで席についた。

今年は焦って友達作りをする必要がない分、気が楽だ。

女は色々とめんどくさい。

嫌でもグループに属さないといけないし、そのグループの中でうまく立ち回らなくてはいけない。

輪の中から弾かれないように自分の意見を押し殺してみんなに合わせながら生活し、自分の中の立ち位置を決める。

小学校高学年から今まで、あたしは色々な体験をしてきた。

イジメとまではいかなくても、小さないざこざは多かれ少なかれいつだって常にあたしにつきまとってきた。


仲間外れにされたことも一度や二度じゃない。

今日の仲間が明日の敵。

その言葉通りのことが起こったりもした。

中学時代は更に色々な問題が起こったし、ひどく傷付けられたこともある。

悪いことなんてなに一つしていないのに責め立てられりしたこともある。

今はそれを教訓に言いたいことはぐっと堪えるようにしている。

今まであたしの周りにいた人たちと彩乃もエレナは違う。

二人のことは心から尊敬できるし、信頼もできる。
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