トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
背後に人の気配を感じる。

「私も一緒に食べるからね」

ついてきた。

それが誰であるか振り返らなくても分かる。

エレナと彩乃が驚いたように薫子を見上げている。

薫子はあたし達の了承を得ることなく、近くの机と椅子を引っ張ってくる。

あたし達の反応なんてお構いなしに、薫子は平然とあたし達3人と机をくっつけて微笑んだ。

「本当は私と梨沙のふたりっきりがよかったの。でも、梨沙が二人と一緒に食べたいって言うから仕方ないわ。私が我慢する!」

誰も言葉を発していないのに、薫子はペラペラと話し始める。

あたし達3人は互いの顔を見合せて顔を強張らせた。

薫子がどういうつもりなのかその胸中を推し量っていた。

食事中もあたし達は終始黙ったままだった。

話を薫子に聞かれるのがなんとなく嫌だったから。

でも、薫子はあたし達の間に漂う重たい空気には全く気付かない。
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