トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「だから、驚いたの。高校に入学した後も梨沙が私のクラスにも会いに来てくれないし、同じクラスになってもエレナや彩乃と仲良くしていて。私と親友になりたいって言ったのは梨沙の方なのにって」

「あたしそんなこと言ってな――」

言葉を遮るように薫子はつづけた。

「彩乃とエレナっていう悪い友達に梨沙はたぶらかされてただけなのよね。道子の助言で二人を排除できて正直ほっとした。今度こそ梨沙は私の親友になってくれると思っていたから。でも、違った……」

「え……?」

「今日、梨沙は私に言ったでしょ?」

薫子の目が座る。

『あのね、例え二人がいなくなってもあたしが薫子と親友になることなんてないの。1%も。勘違いして一人で暴走するのやめてよ。迷惑なの。本当はもっと早く言いたかったけど我慢してあげてたの』

『あたしにはもうあの二人とは違う親友ができたの。いつまでたっても友達も親友もできない薫子とは違うの』

「酷すぎるわ、梨沙。私、心の底から幻滅したの。そもそも梨沙が私と親友になりたいって言っていると聞いたから高校のレベルも落としたし、今までだって色々なことで我慢をしてきたわ。でも、もう限界よ。梨沙、あなたはもう私の親友にふさわしくない」

「お、落ち着いて。そもそも道子とあたしは――」

「もう言い訳は止めて。私の理想像だった梨沙がどんどんどんどん崩れていくの。これ以上幻滅させないで。今日、梨沙と道子が私に内緒でsnsでやり取りをしていたって聞いて……本当に許せなかった。これ以上の裏切りはないでしょ?道子に梨沙はずっと私の愚痴を言っていたのね。酷いわ。なんて腹黒な女なの!?」

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