トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
『道子、聞いて!私、杉原さんと同じクラスになったの。しかも、席は前後!私達は親友になる運命なのね!』
姉が帰宅後、開口一番に放ったその言葉を思い出すと、いまだに笑いが込み上げてくる。
私の思うがままに動く姉、そして、私の手のひらで転がされる梨沙。
まさか自分たちが操られているなんて知る由もなかっただろう。
姉と梨沙を深い関係にするためにはまず梨沙の友人たちを排除する必要があった。
高校にも通っておらず暇の多い私がエレナと彩乃のことを調べるのは簡単だった。
『エレナと彩乃がいるから、お姉ちゃんが杉原さんの親友になれないんだよ。あの二人は杉原先輩をだましてる。パパ活をやったり、後輩イジメをしてた人が杉原先輩の親友だなんてありえないと思わない?』
姉にそう伝えると、姉は顔を真っ赤にして憤慨した。
『あの子達は最低最悪な人間だわ。そんな人間が梨沙の親友だなんて許せない』
その言葉通り、薫子は3人の仲に割り込み絆を壊そうとした。