トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
エレナのパパ活の相手や彩乃の家に怪文書を投函したのも作ったのも全て私だ。

姉は私の操り人形そのものだった。私がこうした方がいい、こう言った方がいいと助言をすれば姉はそれに従った。

すべては梨沙を自分だけの親友にしたいという姉の強い想いからだった。


なんとか二人を梨沙の周りから排除することには成功したものの、次にどうやって姉と梨沙を共倒れにするかはまだ決めかねていた。

そんな時、あたしは梨沙のSNSの裏アカウントの存在を知った。

梨沙とコンタクトを取り、良き理解者のようにふるまうと梨沙はすぐに私に落ちた。

梨沙の意見を否定せず、肯定だけする存在。

梨沙にとって私はなくてはならない存在になっただろう。

梨沙は私を信頼し、すべてを話してくれた。

中学時代、正しいことを言っただけで正義マンとあだ名をつけられて学校で浮いてしまい孤独だったこと。

ポーチ事件のことも話してくれた。

あらぬ疑いをかけられて退塾した私が可哀想だと正義感の強い子達は梨沙を責め立てたようだ。

当時の梨沙のメンタルはボロボロだったらしい。

親の勧めで病院へ通い、薬を常用していたらしい。

高校生になってからは、過去の自分を捨てて感情を抑え込み、周りの人間に合わせて生活していたと梨沙は話してくれた。
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