トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
昼休みのこの時間があたしは大好きだった。

3人でくだらない話をして笑い合ったり、学校のこととか家族のこととか悩みを3人で共有し合って互いに励ましあったりもした。

成績が伸び悩んでいたときも、3人で切磋琢磨して頑張ってきた。

高校に入学してからずっと楽しい時間が続いていたわけではない。

大変なこととか辛いこともあった。

でも3人だから乗り越えられたし、その分互いの信頼も絆も増した。

それなのに。

ハァと心の中で盛大な溜息をつく。

放課後、彩乃は部活に行き一緒に帰宅することはできない。

エレナと下校するときにしゃべれるとはいえ、それも短い間だけ。

エレナは放課後、ほぼ毎日バイトをしている。

3人そろってゆっくりしゃべれる貴重な昼休みが台無しだ。

「そうそう。それでね、私の彼氏が――」

薫子の話が止まらない。

そのほとんどが自慢だ。

あたし達3人は時折うなずいたりしながら、早く昼休みが終わるのを待つことしかできなかった。
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