トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
そもそも、どうして普通の態度で話しかけてきたりメッセージを送ったりできるの?
誘いを断ったあたしを一方的に悪者にして最後には勝手に教室を飛び出していったのはどこの誰?
あたしがこんなに嫌な思いをしているっていうことに薫子は気付いていない。
あたしの気持ちなんてこれっぽっちも考えてくれない。
「どうして……」
「なに?」
「どうして、ここにいるの?」
そう問いただすと、薫子はハッキリこう答えた。
「梨沙のあとをつけたの。そしたら、ここの施設に入っていったから出てくるのをずーっと待ってたの」
「どうしてそんなことをしたの……?」
後をつけてくるなんて信じられない。
「だって梨沙が放課後の予定を教えてくれないから。だからしょうがなかったの」
「そんなの理由にならないよ!そうやって理由をつけて自分を正当化しないでよ!あたしにだってプライバシーがあるんだよ!?」
限界だった。
濁した言い方では薫子には伝わらない。
「あたしの後をつけてきたりするのはやめて!それと、メッセージを何度も送らないで。そういうの嫌だし、そういうことされても困る!」
ハッキリと薫子の目を見て言うと、薫子は瞬きを繰り返した。