トモダチ地獄～狂気の仲良しごっこ～

「梨沙は本当に優しいね。でも、安心して。準備から後片付けまでが料理なんだから。一番大切な部分を二人にやらせてあげようとしてるの」

「やらせてあげようって……なにそれ」

上から目線の薫子の言葉にエレナが目の下を引きつらせる。

「あたしは従わないから。そもそも、薫子が作った通りにやる必要ないよね？」

彩乃が不満を口にする。

「どうして？私はちゃんと考えて――」

「付き合ってらんない。こんなバカバカしい話し合いなら意味ないし、部活行くわ。こんなの時間の無駄だから。梨沙、エレナ、また明日ね！」

彩乃は吐き捨てるように言うと、あたしとエレナにだけ手を振って教室を後にした。

「ひどい……。どうして私の話を聞いてくれないの」

薫子は困惑とも苛立ちとも言えない表情を浮かべている。

「ひどいのは薫子のほうでしょ？わかんないわけ？」

エレナの言葉に薫子が目を見開く。