トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「あたしは薫子の親友にはなれない」

「どうして?」

「だから、あたしには――」

「エレナと彩乃っていう親友がいるから?だから私とは親友になれないの?」

エレナと彩乃っていう親友が二人いるから薫子とは親友になれないわけではない。

こうやって会話が噛み合わないこと。それに性格上の不一致が原因で親友にはなれないということ。

でもそれを薫子は悟ろうともしない。

一方的に自分の意見を言って、それを押し通そうとする薫子と親友になんて……ううん、友達にだってなれやしない。

きっとそれを事細かくかみ砕いて説明しても薫子にはどうせ伝わらないだろう。

めんどくさい。これ以上話したくない。

投げやりな気持ちになったあたしは薫子との会話を早く切り上げたい一心でこう答えた。

「そうだよ。あたしには二人がいるから」

以外にも薫子は「そっか。じゃあ、二人がいなくなればいいんだね」と納得したようにうなずいた。
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