トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~

不思議な子

家庭科の調理実習の班決めが教室で行われた。

好きな人同士で組めることになり、あたしは迷わず彩乃とエレナと3人組になった。

けれど、班は4人にする必要がある。

決まった人から黒板に名前を書き込んでいく。

「どうしようか?誰かに入ってもらう?」

エレナの席の周りに集まって、3人で話し合う。

「あっ、じゃあ、葛生さん誘ってみようか?」

そのとき、ふと葛生さんの顔が頭に浮かんだ。

葛生さんはいつも一人でいるし、最適だ。

それに、これをキッカケに葛生さんと仲良くなれるかもしれない。

「それいいかも。もし入ってもらえるなら4人グループになれるしさ」

エレナも彩乃もあたしに同意してくれた。

「じゃあ、あたし、葛生さんに声かけてみるね!」

あたしは二人にそう伝えてから自分の席に戻った。

「葛生さん」

声をかけると葛生さんがゆっくりとした動作で顔を持ち上げた。
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