トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
驚いてあたしは体をびくりと震わせた。

八木さんは唇を震わせて真っ赤に充血した目を私に向ける。

怒っているのに今にも泣きだしそうな複雑そうな表情の八木さん。

「アンタ、私のこと……この子にそんな風に話していたの!?」

八木さんの怒りの矛先が私に向けられる。

「ち、違います!誤解です!」

あたしは薫子に八木さんの話をしたことはない。

可哀想とかそんな風に思ったことだってただの一度もないのに。

今の薫子の話は全くのデタラメだ。

でも、その証拠はどこにもない。

「信じていたのに。私はこうやって週に1回アンタと会えるのを楽しみにしていたのに。それなのに私はもう歩けない可哀想な人だって思われてたんだね」

「八木さん、それはちが――」

「もういい!!もう二度とアンタの顔なんて見たくない!!」

八木さんが涙を浮かべて怒鳴ると同時に、八木さんがテーブルに両手をついて車椅子から腰を浮かした。
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