トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「八木さんって誰だっけ?私、興味がないことはすぐ忘れちゃうの」
少しの間の後、薫子は平然とそう言い放った。
あまりの怒りに唇が震える。
「……ふざけてるの?今日、薫子がひどいことを言ったせいで八木さんは肘を骨折しちゃったんだよ?」
「私のせい?」
「そうでしょ!?八木さんが歩けなくて可哀想なんて言うから、八木さんは無理を押して立ち上がっちゃったんだから。その拍子に転倒してケガをしたんだから薫子のせいでしょ?」
「それは違うわ。私のせいじゃない」
「どうして自分のせいじゃないって言いきれるの?」
「だって私、八木さんに立ち上がってなんて言ってないもの」
「え?」
「私が立ち上がってってお願いして転んだら私のせいだけど、私は言っていないし。八木さんが勝手に立ち上がって転んだなら八木さんの不注意っていうことでしょう?」
「何それ……。その考えがおかしいよ!」
「ううん、おかしいのは梨沙。私たちは傾聴ボランティアをするために施設へ行っているんだから話だけ聞いていればいいの。利用者のケガは私達には一切関係がないのよ。それをこうやって話に出す梨沙がおかしい」
ハッキリとした口調で言う薫子に呆然とする。
少しの間の後、薫子は平然とそう言い放った。
あまりの怒りに唇が震える。
「……ふざけてるの?今日、薫子がひどいことを言ったせいで八木さんは肘を骨折しちゃったんだよ?」
「私のせい?」
「そうでしょ!?八木さんが歩けなくて可哀想なんて言うから、八木さんは無理を押して立ち上がっちゃったんだから。その拍子に転倒してケガをしたんだから薫子のせいでしょ?」
「それは違うわ。私のせいじゃない」
「どうして自分のせいじゃないって言いきれるの?」
「だって私、八木さんに立ち上がってなんて言ってないもの」
「え?」
「私が立ち上がってってお願いして転んだら私のせいだけど、私は言っていないし。八木さんが勝手に立ち上がって転んだなら八木さんの不注意っていうことでしょう?」
「何それ……。その考えがおかしいよ!」
「ううん、おかしいのは梨沙。私たちは傾聴ボランティアをするために施設へ行っているんだから話だけ聞いていればいいの。利用者のケガは私達には一切関係がないのよ。それをこうやって話に出す梨沙がおかしい」
ハッキリとした口調で言う薫子に呆然とする。