トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
薫子のせいで悶々とした気持ちが収まらない。

悪いのは全部薫子なのに、どうしてあたしがこんな気持ちにならなくてはいけないんだろう。

理不尽で傍若無人な言動を繰り返す薫子に振り回されている自分が情けない。

それと同時に沸き上がってくるのは感じたことのない怒りだった。

「チッ!」

舌打ちをして枕元のティッシュの箱を壁に向かって投げつける。

ボコッという音の後、形の歪んだティッシュの箱が床に転がった。

薫子のせいで何もかもうまくいかない。

全部、薫子のせい。

ずっと蓋をしていた真っ黒な感情が溢れ出す。

あたしはストレス発散の為に作ってあったSNSの裏アカにある呟きをした。

【K ホント無理】

【いなくなってほしい】

【まともじゃない イラつく】

いくつか投稿するとフォロワーから反応があった。

【どしたー?友達関係?】

【そうそう。ムカつく子がいるの。全然話通じない】

【わかる!いるよね、そういう子】

ネットだけで繋がった会ったこともない子だからこそ吐ける愚痴。

『わかる!』その言葉が今のあたしには救いだった。

共感をしてくれる人がいると思うだけで心が軽くなる。

あたしはスマホを握り締めSNSで愚痴を吐き続けた。
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