トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「どこ行くの?まだ話は終わってないのに」

「うん」

あたしは素知らぬ顔で頷きながら薫子に背中を向けて歩き出す。

こんなこと最低だって自分でも分かってる。

だけど、あたしにはこれぐらいしたっていい権利はあるはずだ。

昨日は先生に呼び出されて色々聞かれて嫌な思いをして、放課後はあたしに黙って施設にやってきてデタラメなことを言ってすべてを滅茶苦茶にした。

傾聴ボランティアに行けなくなったのも八木さんをケガさせたのも全部薫子のせい。

あたしはエレナと彩乃の席へ向かい二人に声をかけた。

「おはよ!」

「梨沙、おはよ~!」

「おはよ」

エレナと彩乃が笑顔で迎え入れてくれた。

それだけでホッとする。
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