トモダチ地獄～狂気の仲良しごっこ～

「おはよう」

背後で声がする。

振り返った先にいたのはあたしを追いかけてきた薫子だった。

「……」

エレナと彩乃は互いの目を見合わせてアイコンタクトを取ると、勢いよく立ち上がってあたしの腕を掴んだ。

「梨沙、いこ！」

エレナがあたしの腕を引っ張る。

「どこ行く気!?」

そのまま引きずられるように教室から出て行こうとするあたし達に薫子が絶叫した。

驚いて振りかえると、薫子は肩を上下させて顔を真っ赤にしていた。

その目からは確かな怒りが感じられた。

でも、それは一瞬ですぐに悲し気な表情に変わる。

「ひどい……。どうして仲間外れにするの……？私が何かした？」

薫子の言葉に教室中がシーンっと静まり返り重たい空気に包まれる。