トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「もししたなら謝るから。だから、無視だけはしないで……?お願いだから……」

なにこれ。何なの?

あたしの目には薫子が迫真の演技をしているように見えた。

顔を両手で覆ったのは、涙が流せなかったせいに違いない。

エレナと彩乃もあ然とした表情で薫子に視線を送る。

私が何かした……?したに決まってる。

そうじゃなかったら避けたりなんてしない。

ひどいのはどっちよ。

「ねぇ、この間から思ってたんだけどアンタたち3人ちょっとひどくない?」

すると、クラスの中でも発言力のあるアリサがあたし達を睨んだ。


「この間の調理実習の時も明らかに薫子のこと仲間外れにしてたでしょ?3人が仲良いのは分かるけど、そういうのって幼稚だと思わない?」

「それは違うから!!」

エレナが反論する。

「あれは薫子が――」

「そうやって人のせいにすんのやめなって。今、アンタ達が薫子のことを無視して教室から出て行こうとしてんのは事実なんだから」

アリサの言葉に薫子がわざとらしく音を立てて鼻をすする。
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